ソムリエ・ワインエキスパート一次試験まで約2ヶ月|CBTで合格する直前期の勉強計画【2026年】

この記事の結論
- 残り約2ヶ月は「新しく覚える」から「演習で思い出す」へ重心を移す時期
- 試験日から逆算し、週単位で「総復習 → 弱点補強 → 模擬演習」の流れを組む
- 範囲が膨大な中では、配点が高いとされるフランス・イタリアを軸に優先順位をつける
- 暗記カードはスキマ時間、地図は手を動かして、演習はまとまった時間に、と役割を分ける
- CBTは1問あたり約30秒。時間配分と即答できる知識の歩留まりが鍵
- 申込締切は7月10日。受験を決めているなら早めに出願を
一次試験期間の開始(7月15日)まで、残りおよそ7週間。出願締切(7月10日)まではおよそ6週間という時期になりました。
「やることが多すぎて、何から手をつければいいか分からない」——この時期に多くの受験者が抱える悩みだと思います。範囲が膨大なソムリエ・ワインエキスパート試験では、残り時間を何に使うかの判断が、合否を大きく左右します。
この記事では、試験日から逆算した直前期の学習計画に焦点を絞ってお話しします。試験の全体像や日程、独学の進め方そのものについては別の記事で詳しく扱っているので、本記事は「残り約2ヶ月をどう走り切るか」に絞ってまとめました。
この記事の対象読者
- すでに学習を始めていて、直前期の進め方に迷っている方
- これから本腰を入れて、残り期間で合格ラインを目指したい方
- 範囲の広さに圧倒され、優先順位のつけ方を知りたい方
なお、試験日程・出願方法・受験料の詳細は【2026年度】ソムリエ・ワインエキスパート試験の日程・申込方法・受験料まとめに、独学の全体的な進め方はソムリエ試験に独学で一発合格する勉強法にまとめています。あわせてご覧ください。
まず、残り期間を逆算する
直前期に最初にやるべきは、新しい知識のインプットではなく、試験日から逆算したスケジュールの再設計です。残された時間を「見える化」すると、何を優先すべきかが自然と決まってきます。
2026年度の主要日程
| イベント | 日程 |
|---|---|
| 出願締切 | 7月10日(金)17:59 |
| 一次試験(CBT) | 7月15日(水)〜 8月26日(水) |
| 二次試験(テイスティング+論述) | 9月28日(月) |
| 三次試験(ソムリエのみ) | 11月9日(月) |
日程は変更される場合があります。最新の情報は必ずJ.S.A.公式サイトでご確認ください。
CBT方式の一次試験は、期間内であれば受験日を自分で選べます。つまり**「いつを自分の本番にするか」を自分で決められる**ということです。学習の仕上がりを見ながら、7月後半〜8月のどこに照準を合わせるかを早めに仮置きしておくと、逆算がしやすくなります。
週単位で見た直前期の流れ(一例)
ここでは、一次の本番を「8月上旬」に置いた場合のモデルを示します。ご自身の学習状況に合わせて前後させてください。
| 時期 | フェーズ | 主にやること |
|---|---|---|
| 〜6月中旬 | 総復習期 | 主要産国を一周し、全範囲の「穴」を把握する |
| 6月下旬〜7月中旬 | 弱点補強期 | 間違えやすい分野を集中的に演習で潰す |
| 7月中旬〜本番 | 仕上げ期 | 模擬形式で時間配分を体に入れ、暗記カードで最終確認 |
ポイントは、残り期間の後半ほど「演習と思い出し」に時間を寄せることです。教本を読み込む時間は前半に置き、後半はアウトプット中心へと滑らかに移行していきます。
読む(インプット)
情報を入れるだけでは
神経回路は強化されない
記憶定着率:低い
思い出す(アウトプット)
思い出す作業によって
神経回路が強化される
記憶定着率:高い
この時期に教本を最初のページから丁寧に読み直すのは、気持ちは分かるのですが効率の面ではおすすめしにくい進め方です。読むだけでは記憶は定着しにくく、「思い出す」作業を経て初めて知識は使える形になります。
1日の学習時間の配分
総勉強時間の目安として「一次対策に約300〜400時間」とよく言われますが、直前期に大切なのは合計時間そのものよりも、毎日途切れさせないことと時間の使い分けです。
時間帯ごとに役割を分ける
| 場面 | 向いている学習 | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤・休憩などのスキマ | 暗記カードで一問一答 | 短時間でも「思い出す」回数を稼げる |
| 帰宅後のまとまった時間 | 演習・模擬問題 | 集中して時間を計り、本番形式に慣れる |
| 寝る前の数分 | その日間違えた問題の見直し | 翌日の復習につなげ、忘却を防ぐ |
一日の中で「インプットの時間」と「思い出す時間」を意識的に分けるだけで、同じ総時間でも定着のしかたが変わってきます。
忘れる前に、もう一度触れる
人の記憶は、何もしなければ時間とともに薄れていきます。だからこそ、一度解いた問題を適切な間隔で解き直すことが直前期では特に効いてきます。
復習なし(一夜漬け)
分散学習(適切なタイミングで復習)
※ 数値はイメージです。実際の忘却曲線はエビングハウスの無意味綴りの実験に基づいており、意味のある知識はこれほど急には忘れません。
「今日やった範囲を翌日に軽く確認し、数日後にもう一度」——この繰り返しが、本番で思い出せる知識を増やします。新しい範囲を広げることばかりに気を取られず、復習の予定もスケジュールに組み込んでおきましょう。
膨大な範囲での優先順位のつけ方
ソムリエ・ワインエキスパート試験の出題範囲は非常に広く、すべてを同じ熱量で完璧にするのは現実的ではありません。直前期こそ、優先順位を決めて「捨てる勇気」を持つことが大切です。
配点の高い産国を軸に据える
出題のウェイトには分野ごとの偏りがあるとされています。一般に、フランスとイタリアだけで全体のかなりの割合を占めると言われており、ここを安定させることが土台になります。
| 分野 | 優先度の考え方 |
|---|---|
| フランス | 最優先。主要産地の位置・主要品種・代表的な格付けを確実に |
| イタリア | 最優先。州ごとの代表的なワインと品種を押さえる |
| スペイン・ニューワールド・日本 | 高。頻出とされる項目に絞って固める |
| ドイツ・その他酒類・概論 | 中。基本事項を取りこぼさない程度に |
フランスとイタリアは、配点が高いだけでなく問題の作り方にもパターンがあるとされます。ここで安定して点が取れるようになると、精神的な余裕も生まれます。
「主要産国の押さえ方」の順序
産国を学ぶときは、いきなり細かいAOC/DOCの暗記から入るのではなく、大きい構造から小さい単位へ降りていくと迷子になりません。
- その国・地方の地理的な位置関係を地図でつかむ
- 主要な産地(地方)ごとの気候と代表品種を結びつける
- 代表的なワイン名・格付け・象徴的な数字を覚える
- 演習で問われ方を確認し、間違えた箇所を地図に戻って補強する
細部から入ると全体像を見失いがちですが、骨格を先に作っておくと、細かい知識が「どこに属する情報か」が分かり、定着しやすくなります。地図学習のコツはソムリエ試験のフランスワイン産地を地図で覚える方法でも詳しく扱っています。
暗記カード・地図・演習の回し方
直前期は、手持ちの教材を「いかに上手に回すか」が問われます。それぞれに向いている役割があるので、混同せず使い分けましょう。
暗記カードはスキマ時間の主役に
一問一答形式の暗記カードは、短い時間で「思い出す」回数を稼ぐのに向いています。品種名、産地の対応、象徴的な数字など、瞬間的に答えられるべき知識の確認に最適です。通勤電車や休憩中など、まとまった時間が取れない場面の主役として使ってください。
地図は「眺める」より「手を動かす」
産地の位置関係は、文字だけで覚えようとすると混乱しがちです。白地図に自分で産地名を書き込む、あるいは地図を使った問題で位置を答える——こうした能動的に思い出す作業を通すと、空間的な記憶として残りやすくなります。
演習はまとまった時間に、間違いを資産にする
演習問題は、知識のインプットというより**「思い出して使う」訓練**です。直前期は次のサイクルを繰り返すことを軸にしてください。
ブロック学習 ― 1分野ずつ集中して進める
インターリービング ― 分野を交互に切り替える
分野を切り替えるたびに「思い出す」作業が発生し、記憶が強化される
- 時間を意識して問題を解く
- 間違えた問題に印をつけ、解説と教本で確認する
- 翌日以降、間違えた問題だけを解き直す
- 同じ間違いをしなくなったら次の範囲へ
複数の分野を交互に解くと、そのつど「思い出す」作業が発生し、本番に近い「どの引き出しから取り出すか」の練習にもなります。間違えた問題こそが、伸びしろが詰まった最良の教材です。
CBT一次試験の本番戦略
一次試験はCBT方式で、約120問を70分で解くとされています。単純計算で1問あたり約35秒。知識があっても、時間配分とペース配分を誤ると最後まで解ききれません(最新の出題数・時間は日本ソムリエ協会の公式案内でご確認ください)。
本番で意識したいこと
| 場面 | 戦略 |
|---|---|
| 解く順序 | 即答できる問題から先に確実に取る |
| 迷った問題 | 印をつけて飛ばし、最後に見直す |
| 時間管理 | 残り問題数と時間を時々確認し、ペースを保つ |
| 見直し | 早とちりによる選択ミスがないか最後に確認 |
CBT方式では、終了直後に画面上で合否が分かるのも特徴です。だからこそ、本番形式の演習で**「迷ったら飛ばす」「即答できる問題を落とさない」**という立ち回りを、あらかじめ体に入れておくことが効いてきます。CBTの仕組みや当日の流れはソムリエ試験のCBT方式とはで詳しく解説しています。
受験回数を2回で出願した方へ
出願時に受験回数を2回で選んだ方は、1回目を早めに受けて手応えを確認するという選択肢があります。本番の雰囲気とペースを体感し、弱点を見極めてから2回目に臨めるのは大きな利点です。ただし、1回で決める気持ちで準備するほうが集中力も高まりますので、2回目はあくまで保険と考えておくとよいでしょう。
申込締切(7月10日)のリマインド
最後に、学習計画と並んで忘れてはならないのが出願の手続きです。
2026年度の出願締切は7月10日(金)17:59。受験する意思が固まっているなら、学習の進み具合に関わらず、早めに出願を済ませておくことをおすすめします。出願後にCBTテストセンターの予約が必要になり、人気の日程・会場は早く埋まる傾向があるためです。
「もう少し勉強が進んでから」と出願を後回しにすると、希望の日程が取れなかったり、締切間際で慌てたりしがちです。まずは出願というスタートラインに立つことを、直前期のタスクの一つに加えてください。出願方法の詳細は2026年度の日程・申込方法・受験料まとめをご確認ください。
出願期間や手続きは変更される場合があります。必ずJ.S.A.公式サイトで最新情報をご確認ください。
まとめ
残り約2ヶ月の直前期は、計画の立て方しだいで仕上がりが大きく変わる時期です。
- 逆算でスケジュールを再設計 — 本番日を仮置きし、週単位で「総復習 → 弱点補強 → 仕上げ」へ
- 時間を役割で使い分ける — スキマは暗記カード、まとまった時間は演習、寝る前は復習
- 優先順位をつける — フランス・イタリアを軸に、大きい構造から細部へ降りる
- 教材を上手に回す — 暗記カード・地図・演習をそれぞれの役割で使い切る
- CBT本番の立ち回りを練習 — 即答できる問題を落とさず、迷ったら飛ばす
- 出願を忘れない — 締切は7月10日。早めの手続きと会場予約を
範囲が広いぶん、不安になるのは自然なことです。けれど、やるべきことを整理して一日ずつ積み重ねれば、残り2ヶ月でも合格は十分に手が届きます。ソムリエ道場では、暗記カード・地図問題・演習・模擬試験など、直前期に必要な機能を揃えています。スキマ時間を味方につけて、本番まで一緒に走り切りましょう。
📝 更新履歴
- 2026年5月29日:一次試験まで約2ヶ月の直前期に向けて初版公開
関連記事

ソムリエ試験に「模試」はなぜ必要か|点数より偏差値・順位で現在地を知る【公開模試】
ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に模試が効く理由を学習科学から解説。多くのアプリは点数しか見せませんが、偏差値・順位・分布で「全体の中の自分」を知ることが一次突破への近道です。

【完全保存版】フランスワイン主要10地方AOC地図まとめ|ソムリエ試験を地図で攻略【2026年版】
ソムリエ・ワインエキスパート試験の最大の山場「フランス」を10地方の地図で完全攻略。シャンパーニュからボルドーまで、主要AOCの位置関係・格付け・頻出ポイントを1記事に凝縮。合格者が教える地図の覚え方も解説。

フランスワイン完全ガイド|ソムリエ試験で頻出する6大産地・品種・AOCを地図で総まとめ【2026年版】
ソムリエ・ワインエキスパート試験で配点25%超を占めるフランスワイン。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ローヌ、ロワール、アルザスの6大産地を、地図・主要AOC・品種・頻出ポイントとともに合格者が徹底解説します。