ソムリエ・ワインエキスパート二次試験テイスティング対策|準備期間で仕上げる実践手順
この記事の結論
- 2026年度の二次試験は9月28日(月)。一次試験通過後の限られた期間でテイスティングの型を作ります
- ソムリエは5種40分、ワインエキスパートは5種50分。回答はすべてマークシートによる選択式です
- 点数の大半は外観・香り・味わいのコメント欄にあり、品種名を外しても合格圏に届きます
- 白はシャルドネ・ソーヴィニヨン・ブラン・リースリング、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン・ピノ・ノワール・シラーの6品種が比較の軸です
- ワイン以外の酒類は無色・琥珀色・着色系の3グループに分類して代表銘柄を押さえます
二次試験の合否を分けるのは、品種当ての勘ではなく、外観・香り・味わいの観察結果を公式のテイスティング用語へ正確に落とし込めるかどうかです。回答はすべてマークシートによる選択式で、選ぶべき語彙の枠組みも定まっています。珍しい表現を探すのではなく、目の前のワインの要素を標準的な語群に沿って拾い上げる作業が求められます。
2026年度の二次試験は9月28日(月)に実施されます。一次試験終了から本番までの期間で何をどの順序で進めるべきか、出題形式と実践手順を整理します。
この記事の対象読者
- 2026年度の一次試験を通過し、二次試験の準備を進める方
- スクールに通わず、独学でテイスティング対策を進めたい方
- 過去に二次試験で不合格となり、コメントの選び方を見直したい方
- マークシートの選択用語が定まらず、回答がブレてしまう方
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出題は5種類。ソムリエとワインエキスパートで構成が異なる

| 項目 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| ワイン | 3種 | 4種 |
| ワイン以外の酒類 | 2種 | 1種 |
| 合計 | 5種 | 5種 |
| 試験時間 | 40分 | 50分 |
| 1種あたりの目安時間 | 8分 | 10分 |
ソムリエは実務適性を見る観点から、ワイン以外の酒類が2種含まれ、試験時間も40分と短めに設定されています。ワインの内訳は白1・赤2、または白2・赤1の構成が通例です。一方、ワインエキスパートはワインが4種(白2・赤2が通例)で、持ち時間は50分です。
回答は、あらかじめ印刷された選択肢から選ぶマークシート方式です。テイスティングの解答はマークシート方式です。ソムリエでは別に論述試験も行われます。なお、ソムリエのみ2026年11月9日(月)に三次試験(サービス実技)が実施されます。試験日程全体の確認は2026年度の試験日程まとめを参照してください。
得点の主軸は品種当てではなくコメント欄にある
テイスティング対策を始めると品種当てに集中しがちですが、結論欄で問われる生産国・収穫年・ブドウ品種の配点は一部にとどまります。外観、香り、味わいのコメント欄も丁寧に練習しましょう。配点の詳細は公表されていません。
品種名を外しても、外観や香りの特徴、酸や渋みの強弱を標準的な用語で正しく捉えていれば、十分な得点を積み上げられます。逆に、品種名を偶然当てても、コメントの選択が標準から外れていれば点数は伸びません。練習では品種を当てることより、観察した特徴を標準的なコメント用語と一致させる作業を優先します。
練習の基本は、1本試飲するごとにマークシートのコメント欄を最後まで埋め、模範解答と突き合わせてズレた語を確認することです。この照合作業を繰り返すことで、得点が安定します。
外観・香り・味わいの判断順序を固定する

試験本番で迷う原因の多くは、グラスを見る手順が定まっていないことにあります。観察と記入の順序をあらかじめ固定しておきます。
外観は色調と濃淡から候補を絞り込む
外観は、清澄度、輝き、色調、濃淡、粘性の順に確認します。白ワインにおいて緑がかったレモンイエローであれば冷涼産地や若いワインが考えられ、黄金色に近づくほど温暖な産地、樽熟成、あるいは経年変化の可能性が高まります。
赤ワインの色調変化はより顕著です。紫がかったルビーは若さを示し、ガーネットやオレンジがかった色味は熟成や色素の薄い品種を示唆します。

グラスの内壁を流れる脚(粘性)は、アルコール度数やエキスの濃淡を測る指標になります。粘性が高ければアルコール度数は高めと推測できます。
香りは第一印象を決めてから各要素へ分解する
グラスを回す(スワリングする)前に立ち上る香りを確かめ、香りの強さと全体の印象を定めます。その後にスワリングを行い、果実、花、植物、香辛料、樽由来の香りなどの分類項目に沿って要素を拾い上げます。

最初から細かな香りを特定しようとすると、全体のバランスを見失いやすくなります。強い樽香だけに気を取られて酸のニュアンスを落とすといったミスを避けるためにも、まず全体の輪郭を捉えてから各要素へ進みます。
味わいは口に含んだ瞬間から余韻まで時間軸で追う
ワインを口に含んだときのアタック(第一印象)から始まり、甘み、酸味、苦味(白)や渋み(赤のタンニン)、アルコールのボリューム感、全体のバランス、そして余韻へと時間軸に沿って評価します。余韻の長さは「やや短い(3〜4秒)」「やや長い(6〜7秒)」など、秒数を意識して測ると判断のブレが小さくなります。
味わいを整理したのち、供出温度やグラス形状、そして結論欄のマークへ進みます。出題される選択用語は年によって改訂されることがあるため、直近の公式用語選択用紙を入手して練習に用いてください。
頻出6品種は個別ではなくペアの比較で覚える

白のシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、赤のカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラーは、試験対策の中心となる基本6品種です。
| 品種 | 判定のポイントとなる要素 | 比較対象となりやすい品種 |
|---|---|---|
| シャルドネ | ニュートラルな果実香。樽熟成や産地気候の特徴が表れやすい | 温暖産地のヴィオニエ、甲州 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 柑橘類やハーブ、青草のニュアンス。引き締まった高い酸 | 冷涼産地のシャルドネ |
| リースリング | リンゴや柑橘類の香り、ペトロール(石油様)香。鋭く伸びる酸 | ゲヴュルツトラミネール |
| カベルネ・ソーヴィニヨン | 深い色調、カシスなどの黒系果実、しっかりとした骨格のタンニン | メルロ、カルメネール |
| ピノ・ノワール | 明るいルビー色、赤系ベリーの華やかな香り、なめらかなタンニン | ガメイ、サンジョヴェーゼ |
| シラー | 濃い紫調、黒系果実と黒胡椒などのスパイス香、豊かな渋み | グルナッシュ、マルベック |
1品種ずつ個別に飲むよりも、混同しやすい2種を並べて同時にテイスティングするほうが、酸やタンニンの違いを把握しやすくなります。たとえば、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランを横に並べて比較すると、香りの系統と酸の鋭さの差が明確になります。
基本6品種の輪郭が固まったら、出題歴のあるテンプラニーリョ、サンジョヴェーゼ、メルロ、甲州、マスカット・ベーリーAへ比較対象を広げます。産地ごとの気候や土壌との関連を再確認したい場合は、フランスワイン完全ガイドなどで産地側の知識と結びつけておくと理解が深まります。
2025年度の出題構成
過去の出題例として、2025年度のテイスティング銘柄は次の通りでした。
| 区分 | 出題内容 |
|---|---|
| ソムリエ | シャルドネ(フランス/2022年)、甲州(日本/2024年)、ジンファンデル(アメリカ/2023年)、ガリアーノ、コニャック |
| ワインエキスパート | リースリング(オーストラリア)、ソーヴィニヨン・ブラン(フランス)、テンプラニーリョ(スペイン)、カルメネール(チリ)、スコッチ・ウイスキー |
シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングといった定番が出題される一方で、ジンファンデルやカルメネール、リキュールのガリアーノなど、判別に迷いやすい銘柄も含まれています。
全銘柄の品種や生産国を完璧に言い当てることは難しくても、外観や味わいのコメント欄で手堅く得点を積み重ねておけば、難度の高い銘柄が含まれていても総合得点を維持できます。
ワイン以外の酒類は色で3グループに分類する

ワイン以外の酒類(その他のお酒)は、出題される種類が多岐にわたるため、すべてを網羅しようとすると対策時間が膨らみます。まずは液面の色調から3つの系統に分類します。
- 無色透明グループ:ジン、ウォッカ、テキーラ(ブランコ)、ラム(ホワイト)、ピスコ、焼酎、アクアヴィットなど
- 琥珀色グループ:ウイスキー(スコッチ、バーボン等)、ブランデー(コニャック、アルマニャック、カルヴァドス等)、ラム(ダーク)、テキーラ(レポサド/アニェホ)など
- 着色・混成酒グループ:各種リキュール(ガリアーノ、カンパリ等)、酒精強化ワイン(シェリー、ポート、マデイラ等)、ベルモットなど
色を見た段階でグループを絞り込み、香りとアルコールの刺激を確認します。ソムリエはワイン以外が2種出題されるため、とくに琥珀色グループにおけるウイスキー(穀物・スモーキー香)とブランデー(ブドウやリンゴ由来のフルーティーな香り)の識別は確実に押さえておきたい点です。
練習環境を試験本番の条件に近づける
自宅での練習環境と試験会場の環境がかけ離れていると、本番で感覚のズレが生じます。日常の練習から以下の点に配慮します。
- テイスティンググラス:国際規格(ISO規格)のグラスを用意します。大ぶりのワイングラスとは香りの立ち上がり方やアルコールの揮発感が異なります。
- 白い背景:色調を正しく確認できるよう、テーブルには白い紙やクロスを敷いて観察します。木目や色付きの天板の上では白ワインの黄色味や緑味を誤認しやすくなります。
- 温度管理:冷やしすぎると香りが閉じ、酸味が強調されます。本番の室温を考慮し、白ワインは10〜12度程度、赤ワインは16〜18度程度を目安に準備します。
- 周囲の香り:香水や整髪料、ハンドクリームの使用は避け、直前の飲食や喫煙も控えて感覚を整えます。
本番までの練習計画例

一次試験終了から二次試験までの準備期間を約8週間確保できる場合の進め方の一例です。各自の残り日数に応じて調整してください。
第1〜2週:コメント記入の手順を確立する
用語選択用紙を手元に置き、白1種・赤1種の手順を固定します。品種を当てることではなく、外観・香り・味わいの選択肢を用紙の指示通りに埋めきる作業を徹底します。
第3〜5週:主要品種の並行比較を行う
基本6品種から2種類を選び、横に並べて比較試飲します。週2〜3回、各回2種を観察して用紙に記入し、標準解答と照合します。ハーフボトルや小分け瓶を活用することで、コストと消費量を調整できます。
第6〜7週:派生品種とその他酒類を確認する
テンプラニーリョ、サンジョヴェーゼ、メルロ、甲州などの派生品種を取り入れます。あわせてワイン以外の酒類について、ミニチュアボトルなどを活用して3つの色系統から代表銘柄の香りを確認します。
第8週:本番時間を意識した模擬演習
ソムリエは40分、ワインエキスパートは50分の時間を計り、5種通しで解く演習を行います。1種あたり8〜10分で配分する感覚を身につけ、本番で時間切れを防げるようにします。
試験本番で判断に迷ったときの対処法
香りをかいでも品種が特定できないワインに当たった際、結論欄で悩み続けて数分を消費するのは避けるべきです。
品種が浮かばない場合は、結論欄(品種・国・収穫年)を空欄のまま保留にし、外観と味わいのコメント欄を先にマークします。色調、酸の強さ、タンニンの量、アルコール感といった要素は、品種が不明でも観察した事実に基づいて記入できます。すべてのグラスのコメント欄を埋め終えたあと、残った時間で結論欄を検討します。配点の大きなコメント欄を確実に埋めることが、失点を最小限に抑える手順です。
テイスティング試験で問われるのは、グラスから得た情報を試験の標準語彙に正しく変換する技能です。用語選択用紙を用意し、1本ごとにコメントを埋めて標準的な評価と照らし合わせる練習を積み重ねてください。
よくある質問
2026年度のソムリエ・ワインエキスパート二次試験はいつですか?
2026年9月28日(月)です。ソムリエのみ三次試験(サービス実技)が2026年11月9日(月)に実施されます。
二次試験では何種類のお酒が出ますか?
ソムリエはワイン3種とワイン以外の酒類2種の計5種を40分で、ワインエキスパートはワイン4種とワイン以外の酒類1種の計5種を50分でテイスティングします。回答は選択式マークシート方式です。
品種を外したら不合格になりますか?
品種名は結論欄の1項目であり、品種名だけに集中せず、外観・香り・味わいを設問に沿って評価する練習も重ねます。具体的な配点は公表されていません。品種を外しても、コメント欄で標準的な評価を選べていれば合格圏に入ることが可能です。
二次試験に出やすい品種は何ですか?
白はシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラーが長年の定番です。あわせてテンプラニーリョ、サンジョヴェーゼ、メルロ、甲州などの出題例もあります。
ワイン以外の酒類はどこまで対策すべきですか?
無色透明・琥珀色・着色系という色の3分類で候補を整理し、各グループの代表銘柄を実際に体験しておくのが効率的です。
独学でも二次試験に合格できますか?
可能です。マークシートの用語選択用紙を用意し、自分で選んだコメントと標準的な模範解答を突き合わせて修正する反復練習が軸になります。
参考文献・情報源
📝 更新履歴
- 2026年8月2日:初版公開
- 2026年9月17日:本文と関連情報を見直し、説明を整理
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