ソムリエ・ワインエキスパート二次試験テイスティング対策|9月28日までの8週間で仕上げる【2026年版】
この記事の結論
- 2026年度の二次試験は9月28日(月)。一次試験の終了が8月26日なので、準備に使える期間は実質4〜8週間
- ソムリエは5種40分、ワインエキスパートは5種50分。回答はすべて選択式
- 配点の大半は外観・香り・味わいのコメント欄にあり、品種名を外しても合格圏には届く
- 白はシャルドネ・ソーヴィニヨン・ブラン・リースリング、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン・ピノ・ノワール・シラーが長年の軸
- 2025年度は甲州、ジンファンデル、カルメネールなど定番外も出題され、難度はやや高めだった
- ワイン以外の酒類は色で3グループに分けて代表銘柄を押さえれば足りる
一次試験を通過した人がまず戸惑うのは、二次試験に正解の暗記が効かないことです。教本を読み込んでも、グラスの中身は言葉になりません。
ただし、対策が立たない試験ではありません。回答はすべて選択式です。選ぶべき語も、毎年ほぼ同じ枠内に収まります。求められているのは珍しい表現ではなく、観察した内容を標準的な語彙へ正確に置き換える作業です。
2026年度の二次試験は9月28日(月)。残り8週間で何をどの順に積み上げるかを、出題形式の確認から順に整理します。
この記事の対象読者
- 2026年度の一次試験を通過し、これから二次試験の準備を始める方
- ワインスクールに通わず、独学でテイスティング対策を進めたい方
- 過去に二次試験で落ちた経験があり、勉強の方向を見直したい方
- コメント用紙の書き方が定まらず、毎回選ぶ語が変わってしまう方
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出題は5種類。ソムリエとエキスパートで中身が違う

| ソムリエ | ワインエキスパート | |
|---|---|---|
| ワイン | 3種 | 4種 |
| ワイン以外の酒類 | 2種 | 1種 |
| 合計 | 5種 | 5種 |
| 試験時間 | 40分 | 50分 |
ソムリエのほうが1種あたりの持ち時間が短く、しかもワイン以外が2種を占めます。実務経験者向けという建て付けを反映した構成です。ワインエキスパートは白2・赤2の組み合わせが通例で、ソムリエは白1・赤2の年も白2・赤1の年もあります。
回答は、コメント語群と結論選択肢が印刷された用紙から該当するものを選ぶ方式です。自由記述はありません。ソムリエのみ、11月9日(月)に三次試験としてサービス実技が課されます。出願から三次までの日程は2026年度の試験日程まとめに整理してあります。
点を取りにいく先は、品種名ではなくコメント欄
二次試験の勉強を始めた人の多くが、品種当てのトレーニングに時間を注ぎます。しかし結論欄で問われる生産国・収穫年・主なブドウ品種は、用紙全体のごく一部にすぎません。配点の大部分は外観・香り・味わいのコメントに置かれています。
つまり、品種を外しても合格できます。逆に、品種を正解しても、色調や酸のコメントが標準から大きくずれていれば点は積み上がりません。筆者の考えでは、独学者が最初に着手すべきなのはコメント語の使い方を標準へ寄せる作業です。品種の暗記は、その後で十分に間に合います。
この前提が定まると、練習の設計も変わります。1本飲むたびに、まずコメント用紙を最後まで埋めてから答え合わせをする。ずれた語を1つずつ潰していく。この往復の回数が、そのまま得点力になります。
外観・香り・味わい、判断の順番を固定してしまう

本番で迷う原因のほとんどは、見る順番が毎回変わることにあります。順番を固定すれば、緊張していても手が動きます。
外観 — 色調と濃淡で候補が半分に減る
清澄度、輝き、色調、濃淡、粘性の順に見ます。ここで得られる情報は思った以上に多く、白の緑がかったレモンイエローなら冷涼産地の若いワイン、黄金色に寄っていれば温暖産地か熟成か木樽の影響を疑います。
赤は色調の変化がさらに明確です。紫がかったルビーは若い、ガーネットは熟成、オレンジがかっていればさらに時間が経っているか、色素の薄い品種を示します。

粘性はアルコール度数と残糖の目安になります。グラスの内壁を伝う脚がゆっくり落ちるなら、アルコールは高めです。
香り — 第一印象を先に決め、あとから分解する
グラスを回す前にまず嗅ぎ、強さと全体の印象を決めます。そのうえで果実、花、植物、香辛料、化学物質といった系統ごとに個別の要素を拾っていきます。

順序を逆にすると、細部に気を取られて全体の印象が言えなくなります。強い樽香に引きずられてシャルドネと決めつけ、酸の高さを見落とす。これは独学者に多い失敗です。
味わい — アタックから余韻まで、時間軸で追う
口に含んだ瞬間の印象がアタック、そこから甘み、酸味、白なら苦味、赤ならタンニン分、アルコール、バランス、そして余韻へと時間軸で移ります。余韻の長さは秒数で測る癖をつけると、迷いが減ります。
最後に評価、適正温度、グラスの形状、そして結論欄へ進みます。なお、コメント語群は毎年わずかに更新されます(2017年に「レモン」が「柑橘類」へ変わった例が知られています)。直近の用語選択用紙を必ず入手して練習してください。
頻出6品種は、単体でなく比較で覚える

白のシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、赤のカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラーは、20年以上出題され続けている軸です。
| 品種 | 決め手になる要素 | 混同しやすい相手 |
|---|---|---|
| シャルドネ | 品種固有の香りが弱く、樽・産地の影響が前に出る | 温暖産地のヴィオニエ、甲州 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 青草・ハーブ系と高い酸 | 冷涼産地のシャルドネ |
| リースリング | 石油様(ペトロール)香と鋭い酸 | 辛口のゲヴュルツトラミネール |
| カベルネ・ソーヴィニヨン | 濃い色、強い骨格のタンニン、カシス | メルロ、カルメネール |
| ピノ・ノワール | 淡い色、軽いタンニン、赤系果実 | ガメイ、若いサンジョヴェーゼ |
| シラー | 黒胡椒などのスパイス、黒系果実 | グルナッシュ、マルベック |
単体で香りを覚えても、本番では隣に別のグラスがあります。効率がよいのは、混同しやすい2種を並べて同時に飲む比較練習です。シャルドネとソーヴィニヨン・ブランを並べれば、酸の質の違いが単体で飲むより格段にはっきりします。
近年はテンプラニーリョ、サンジョヴェーゼ、メルロ、甲州、マスカット・ベーリーAの出題も増えました。定番6種を固めたあと、この5種まで広げるのが現実的な射程です。品種と産地の結びつきがあいまいなら、フランスワイン完全ガイドで産地側から辿り直すと整理が早くなります。
2025年度の出題から読めること
| 出題内容 | |
|---|---|
| ソムリエ | シャルドネ(フランス/2022)、甲州(日本/2024)、ジンファンデル(アメリカ/2023)、ガリアーノ、コニャック |
| ワインエキスパート | リースリング(オーストラリア)、ソーヴィニヨン・ブラン(フランス)、テンプラニーリョ(スペイン)、カルメネール(チリ)、スコッチ・ウイスキー |
定番のシャルドネやリースリングが出た一方で、ジンファンデルやカルメネールという読みにくい品種も混ざりました。ワイン以外もガリアーノというリキュールが出ており、全体として例年より難度は高めだったと評価されています。
ここから引き出せる示唆は一つです。定番外が混ざる前提で、外した1種を他でカバーできる状態を作っておく。すべてを当てにいく計画は、この出題傾向の前では崩れやすいと考えられます。
ワイン以外の酒類は、色で3つに分けるだけでいい

ワイン以外の配点はワインに比べて小さく、時間をかけた分の見返りは限られます。効率よく候補を絞る方法は、色で分けることです。
無色透明ならジン、ウォッカ、テキーラ(ブランコ)、ピスコ、焼酎あたり。琥珀色ならウイスキー、ブランデー、ラム(ダーク)、コニャック、カルヴァドス。着色系ならリキュール類と酒精強化ワインが候補になります。
この3グループの代表を数種類ずつ、ミニチュアボトルで実際に飲んでおけば足ります。ソムリエ受験者は2種出るので、琥珀色グループのウイスキーとブランデーの区別だけは確実にしておきたいところです。
練習環境を本番に寄せておく
家で練習した感覚が本番で再現できない。この落差の原因は、たいてい環境の違いにあります。
会場ではISO規格のテイスティンググラスが使われます。手持ちのグラスが大ぶりなブルゴーニュ型だと、香りの立ち方も液面の見え方も変わってしまうため、練習用に同型のグラスを数脚そろえておく価値はあります。中古やセット販売なら、数千円で5脚は用意できます。
色調を見る背景も無視できません。木目のテーブルの上では、白ワインの緑がかった色味が判別しにくくなります。白い紙を1枚敷くだけで、外観のコメントの精度は目に見えて上がります。
温度も同様です。冷やしすぎた白は酸が硬くなり、香りが閉じます。会場のワインはおおむね適温で供されるので、練習でも白は10〜12度、赤は16〜18度あたりに合わせておくと、感覚のずれが減ります。
当日の自分の状態も条件のうちです。香水や香りの強いハンドクリームは避け、直前の喫煙やコーヒーも控える。練習のときから同じ条件を守っておくと、本番だけ勝手が違うという事態を避けられます。
残り8週間の練習計画

一次試験の期間が8月26日までなので、受験時期によって使える週数は変わります。8週間確保できる場合を基準に置きます。
第1〜2週:型を作る コメント用紙を入手し、白1・赤1を毎回同じ手順で分析します。この段階では品種を当てにいかず、用紙をすべて埋めきることだけを目標にします。
第3〜5週:比較で精度を上げる 定番6品種を、混同しやすい組み合わせで2種ずつ並べて飲みます。1回2種、週2〜3回。飲んだら必ず用紙に書き、標準的な回答と照合します。ハーフボトルや小瓶を使うと、費用と消費量を抑えられます。
第6〜7週:射程を広げる テンプラニーリョ、サンジョヴェーゼ、メルロ、甲州へ広げ、並行してワイン以外の3グループを消化します。
第8週:本番の時間で回す 5種をまとめて並べ、ソムリエなら40分、ワインエキスパートなら50分を計って通しで解きます。1種あたり8〜10分という配分を体に入れておくと、本番で1種に沈み込む事故を避けられます。
当日、迷ったときにどう捌くか
判断がつかないグラスに時間を注ぐのが、最もよくない時間の使い方です。品種が浮かばないまま3分粘っても、答えは出ません。
そういうときは結論欄をいったん飛ばし、外観と味わいのコメントを先に埋めます。コメントは観察した事実なので、品種がわからなくても書けます。全種のコメントを埋め終えてから、残り時間で結論欄に戻る。この順序なら、取りこぼしが配点の小さい欄に集中します。
収穫年は、外観の熟成度合いと果実味の鮮度から判断します。迷ったら、その年の出題傾向として無難な範囲に寄せるほうが期待値は高くなります。
まとめ
二次試験で問われているのは、珍しい香りを言い当てる能力ではありません。グラスから読み取った情報を、協会が用意した語彙へ正確に翻訳できるかどうかです。翻訳の練習は、飲んだ本数ではなく、書いて照合した回数に比例して進みます。
残り8週間。今週やることは、コメント用紙を1枚入手して、手元の1本を最後まで埋めきることです。そこから先の計画は、埋めてみて初めて具体的になります。
よくある質問
スクールに通わないと不利ですか?
不利にはなりますが、決定的ではありません。スクールの価値は、同じワインに対する標準的な回答を即座に確認できる点にあります。独学の場合は市販の対策セットや解説付きの小瓶で代替できます。
何本くらい飲めば足りますか?
筆者の見立てでは、書いて照合した本数として20〜30本が現実的な目安です。同じ品種を複数回飲むことに意味があるので、種類を広げるより回数を重ねるほうが効きます。
収穫年を外すと大きく減点されますか?
収穫年は結論欄の一項目で、配点は限定的です。前後1年程度のずれを過度に恐れる必要はありません。
参考文献・情報源
📝 更新履歴
- 2026年8月2日:初版公開
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