ワインの資格は何がある?【2026年版】ワインアドバイザーは廃止済み|J.S.A.呼称資格の全体像と費用
ワインアドバイザーの資格は2016年度にソムリエ資格へ統合され、現在は新規認定を行っていません。過去の資格保持者を対象としたソムリエへの移行申請受付も、2016年から2021年にかけての移行期間をもって終了しました。これからワインに関する日本ソムリエ協会(J.S.A.)の資格を目指す場合、実務経験の条件を満たせば「ソムリエ」、職業を問わず挑戦するなら「ワインエキスパート」のどちらかを選ぶことになります。
この記事の結論
- ワインアドバイザーおよびシニアワインアドバイザーは2016年度にソムリエへ統合され、新規認定は終了
- 現在受験できるJ.S.A.呼称資格はソムリエ、ワインエキスパート、SAKE DIPLOMAなどの一般呼称と、上位のエクセレンス呼称
- ソムリエとワインエキスパートの振り分けは受験資格で決まり、実務経験や本職要件を満たさない場合はワインエキスパートを受験する
- 初年度の協会納付金は受験料32,900円(一次1回)+認定登録料20,950円の計53,850円(一般受験の場合)
- 資格取得後の更新料や維持年会費は不要
- J.S.A.の会員割引は入会金と年会費で12,500円以上かかるため、27歳以下の免除対象者を除き受験料目的での入会は持ち出しになる
この記事の対象読者
- ワインの資格にどのような種類があるか全体像を整理したい方
- ワインアドバイザーの受験や移行手続きについて調べていた方
- ソムリエとワインエキスパートのどちらを受験すべきか判断基準を知りたい方
- 受験料や合格後の登録料など、協会に支払う費用の総額を事前に把握したい方
現在取得できるJ.S.A.呼称資格の全体像
一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定している呼称資格は、初めて挑戦する人が受ける「一般呼称」と、その上位に位置する「エクセレンス呼称」に整理されています。
ワインアドバイザーが廃止された現在、ワインに関する一般呼称はソムリエとワインエキスパートの2種類です。これらに日本酒・焼酎を対象としたSAKE DIPLOMAなどを加えた体系になっています。
| 区分 | 呼称名 | 受験対象・主な要件 |
|---|---|---|
| 一般 | ソムリエ | 飲食・飲料販売などの職務を本職とし、通算3年以上の実務経験がある方 |
| 一般 | ワインエキスパート | 基準日において満20歳以上の方(職業・職歴不問) |
| 一般 | SAKE DIPLOMA | 日本酒・焼酎に関する資格。満20歳以上の方 |
| 一般 | SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL | SAKE DIPLOMAの英語試験。満20歳以上の方 |
| 一般 | ASI DIPLOMA | 国際ソムリエ協会が認定する世界水準の認定資格 |
| 上位 | ソムリエ・エクセレンス | J.S.A.ソムリエ認定者で、認定後の実務経験要件を満たす方 |
| 上位 | ワインエキスパート・エクセレンス | J.S.A.ワインエキスパート認定後、規定年数を経過した方 |
| 上位 | SAKE DIPLOMA EXCELLENCE | SAKE DIPLOMA認定後、規定の実務経験または年数を満たす方 |

初めて資格取得を検討する際は、まず一般区分の呼称から選択します。エクセレンス呼称は対応する一般呼称を取得し、一定の実務や活動年数を経てから受験資格が得られる発展段階の試験です。
ソムリエとワインエキスパートの決定的な違いは職歴要件
受験者の間で「ソムリエとワインエキスパートのどちらを受験すべきか」という相談がよく見られます。しかし両者の選択は、まずソムリエの実務要件を満たすか確認します。両方を受験できる場合は、仕事や学習の目的に合わせて選べます。
ソムリエの受験資格:本職要件と通算3年の実務経験
ソムリエ試験を受験するためには、単に飲食店や酒類販売店でシフトに入っているだけでは認められません。公式の募集要領において、主に以下の条件を満たす必要があります。
- アルコール飲料を取り扱う飲食サービス、仕入れ、管理、販売、酒類製造などの職務に従事していること
- その職務が主たる職業であり、全収入の60%以上を当該職務から得ていること
- 月90時間以上の勤務実績があり、基準日において通算3年以上(J.S.A.正会員歴が2年以上ある場合は通算2年以上)の経験を有すること
副業として週に数時間だけワインバーで働いている場合や、本業が別にあって収入の過半を別の会社から得ている会社員の方は、勤務実態があっても「収入の60%以上」という要件を満たせないためソムリエの受験資格を得られません。出願時には勤務先からの従事証明書の提出が求められます。
ワインエキスパートの受験資格:満20歳以上であれば誰でも可能
一方、ワインエキスパートに職務要件はありません。試験実施年度の基準日(8月31日)において満20歳以上であれば、酒類業界の従事者か愛好家かを問わず誰でも受験できます。
「ワインエキスパートは愛好家向けの資格」と紹介されることがありますが、飲食業や酒類販売業に就いて日が浅い方、あるいは副業でワインに携わっているプロが実務年数を満たすまでのステップとして受験する事例も少なくありません。
一次試験のCBT試験および二次試験のブラインドテイスティングにおいて、出題範囲の公式テキスト(J.S.A.ソムリエ教本)はソムリエとワインエキスパートで共通です。知識として求められる地理、気候、ブドウ品種、ワイン法などの学習内容に上下関係はありません。
ソムリエ試験のみ、二次試験に論述試験が加わり、三次試験としてサービス実技審査が課されます。ワインエキスパート試験の二次試験はテイスティングのみで完結します。
試験の構成や配点の違いについてはソムリエとワインエキスパートの違いで、過去の合格傾向についてはソムリエ試験・ワインエキスパート試験の合格率と難易度で詳しく解説しています。
協会納付金の総額は53,850円から
資格取得にかかる費用を計算する際、出願時の受験料だけを見て予算を組むと誤算が生じます。日本ソムリエ協会の資格試験では、最終合格したあとに「認定登録料」の納付が必要になるためです。
2026年度試験における一般受験(J.S.A.非会員)の公式納付金は以下のとおりです。
| 項目 | 金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 受験料(一次試験1回受験) | 32,900円 | 出願時に納付 |
| 認定登録料 | 20,950円 | 最終合格通知後に納付(認定証・バッジ交付代) |
| 初年度の納付金合計 | 53,850円 | 協会へ直接支払う費用の最低額 |
一次試験を2回受験できるプランで出願した場合、受験料は37,800円となり、認定登録料と合わせた初年度の合計納付金は58,750円になります。

この53,850円という金額は、あくまで日本ソムリエ協会へ納入する公的手続き費用の合計です。試験対策に必要なワインスクールの受講料、市販の問題集や地図帳、テイスティング練習用のワイン購入費、試験会場までの交通費などは別途発生します。独学で進める場合でも、練習用資材の予算を織り込んでおく必要があります。
一次試験に合格した場合の免除規定
一次試験を通過して二次試験以降で不合格となった場合、翌年以降の試験で一次試験の免除制度を利用できます。
免除される期間と回数は「通過した年の翌5年間のうち3回まで」と規定されています。合格した年を含めた5年間ではない点に注意してください。免除制度を利用して出願する場合、一次試験の会場費がかからないため、受験料は一般で14,210円(ソムリエの一次・二次免除で三次試験から受験する場合なら7,100円)まで下がります。
新規入会する場合は、受験料の割引と入会費用を比べる
J.S.A.の正会員になると、認定試験の受験料が一般価格より安くなります。しかし、「受験料を節約する」という動機だけで試験申込と同時に入会手続きを行うと、総支払額はかえって高くなります。
一般受験と、試験申込時に入会した場合の費用差は以下の計算になります。
| 項目 | 一般受験 | 正会員受験(7月入会例) |
|---|---|---|
| 一次1回受験料 | 32,900円 | 23,700円 |
| 受験料の差額 | 基準 | 9,200円引き |
| 入会金(同時入会時) | 0円 | 5,000円 |
| 年会費(7月入会の月割り) | 0円 | 7,500円 |
| 入会にかかる追加支出 | 0円 | 12,500円 |
| 実質差引額 | 基準 | 3,300円の持ち出し |
受験料の割引幅は9,200円ですが、入会金5,000円と7月入会時の月割り年会費7,500円(正規年会費は年額15,000円)を合わせると12,500円の支払いが発生します。差し引きすると3,300円多く支払う計算です。春先などより早い月に入会すれば、月割り年会費の額が上がるため持ち出し額はさらに増えます。
入会することによって、機関誌の定期送付、支部主催の無料・割引セミナー参加などの特典が得られます。これらの会員サービスを活用する目的があれば入会する価値は十分にあります。一方、この7月入会の例では、割引額より入会費用が3,300円多くなります。
27歳以下の受験者は入会を推奨
この会員損益計算において明確な例外となるのが、満27歳以下の受験者です。
日本ソムリエ協会では若年層の育成を目的として、27歳以下の方を対象に入会金および初年度年会費を無料とする優遇措置を設けています。この条件に該当する方は追加の費用負担なしで会員資格を得られるため、受験料の差額9,200円をそのまま節約できます。27歳以下であれば、出願時に入会手続きを済ませて会員価格で申し込むのが実務的です。
上位資格「エクセレンス」は認定後の目標
検索やSNSなどで「ソムリエ・エクセレンス」「ワインエキスパート・エクセレンス」という名称を目にすることがあります。これらは過去に「シニアソムリエ」「シニアワインエキスパート」と呼ばれていた認定が、2019年度に改称された呼称です。
エクセレンス呼称は、下位の一般呼称試験を突破した認定者だけが進める上位ステージです。最初からエクセレンスに直接出願することは制度上できません。
| 呼称名 | 受験に必要な前段資格と条件 |
|---|---|
| ソムリエ・エクセレンス | J.S.A.ソムリエ認定後3年以上の実務経験があり、通算10年以上従事している満30歳以上の方 |
| ワインエキスパート・エクセレンス | J.S.A.ワインエキスパート認定後5年を経過した満30歳以上の方 |
| SAKE DIPLOMA EXCELLENCE | SAKE DIPLOMA認定後規定年数を経た満30歳以上の方 |
出題内容は教本の記載事項にとどまらず、原語による筆記回答、高度なブラインドテイスティング、実務対応力を問う専門的な実技審査が課されます。初学者が資格取得の計画を立てる段階では、まずソムリエまたはワインエキスパートの一般呼称に合格することだけを目標に設定してください。
資格取得後の維持費と更新制度の有無
民間資格や各種技能検定の中には、数年ごとの更新講習受講や更新手数料の納付、または資格維持のための協会費支払いを義務付けているものが多くあります。しかし、J.S.A.のソムリエおよびワインエキスパート資格には更新制度がありません。
最終合格時に認定登録料(20,950円)を納めて認定証とバッジを受け取ったあとは、資格の有効期限は無期限です。合格後に日本ソムリエ協会の一般会員を退会したとしても、一度認定された呼称資格が剥奪されたり失効したりすることはありません。
したがって、資格の取得および保有に必要な費用は、初年度の出願時と合格時の一連の支払いのみで完結します。維持のためのランニングコストが発生しない点は、長期的な保有において大きな利点です。
準備を進めるための留意点
J.S.A.の呼称資格認定試験は、毎年3月頃に出願受付が開始され、一次試験が7月中旬から8月下旬、二次試験が秋口に実施される日程で進行します。2026年度の出願受付および一次試験の実施期間はすでに終了しています。
これからワイン資格に挑戦しようと考えている方は、翌年度の試験日程を目標に据えて学習スケジュールを組むのが確実です。試験範囲となる公式のJ.S.A.ソムリエ教本は700ページを超える分量があり、主要国のワイン法規やブドウ品種の特徴を定着させるには数か月の継続的なインプットが必要になります。
年間の試験スケジュールや具体的な出願手続きの流れについては、2026年度の試験日程と申込方法で全体のスケジュール感を把握できます。また、学習の基礎固めには一次試験の出題形式に合わせた問題演習やまとめノートを活用し、頻出産地の位置関係や品種特性の整理から着手することをおすすめします。
よくある質問
ワインアドバイザーの資格は今も取れますか?
取れません。2016年度にソムリエ資格へ統合され、新規の認定試験は実施されていません。既存の保持者を対象とした移行申請も2016年から2021年で受付を終了しています。現在ワインの販売職の方が受けるのは、実務経験の要件を満たせばソムリエ、満たさなければワインエキスパートです。
ワインの資格を取るのに全部でいくらかかりますか?
一次試験1回受験の一般申込みなら、協会へ納める初年度費用は53,850円です。内訳は受験料32,900円と最終合格後の認定登録料20,950円です。一次を2回受験する場合は受験料が37,800円となり、合計58,750円になります。なお、別途テキスト代や練習用ワイン代などの教材費や交通費がかかりますが、合格後の更新料や必須年会費はありません。
J.S.A.の会員になると受験料は安くなりますか?
受験料単体は9,200円安くなりますが、入会金と年会費がかかるため一般成人は元が取れません。試験申込と同時入会でも入会金5,000円と年会費(7月入会で7,500円)の計12,500円が必要になり、3,300円の持ち出しになります。ただし27歳以下の方は入会金と初年度年会費が免除されるため、会員申込みのほうが割安になります。
ソムリエとワインエキスパートはどちらを選べばいいですか?
職務経験などソムリエの受験資格を満たすかを確認したうえで、学ぶ目的に合わせて選びます。条件を満たさない場合はワインエキスパートを検討できます。ソムリエはワインやアルコール飲料を扱う職務が主たる職業であり、全収入の60%以上をその職務から得ていること、月90時間以上の勤務で通算3年以上の実務経験が必要です。この条件を満たさない方は、職業不問で20歳以上なら誰でも受験できるワインエキスパートを選びます。
ソムリエ・エクセレンスとは何ですか?
ソムリエおよびワインエキスパートの上位に位置する認定資格です。ソムリエ・エクセレンス、ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA EXCELLENCEがあり、それぞれ対応する一般呼称に合格した認定者のみが受験できます。初学者が最初に受ける試験ではありません。
参考文献・情報源
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)「呼称資格認定試験」(呼称資格の全体体系、ワインアドバイザーの統合に関する記載)
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)「試験案内:J.S.A.ソムリエ、J.S.A.ソムリエ・エクセレンス」(受験資格・受験料・認定登録料)
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)「試験案内:J.S.A.ワインエキスパート」(受験資格・受験料・認定登録料)
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)「正会員(個人)入会案内」(入会金・年会費・27歳以下の免除規定)
📝 更新履歴
- 2026年8月15日:初版公開。2026年度の受験料・認定登録料・入会金をJ.S.A.公式サイトで確認して作成
- 2026年9月17日:本文と関連情報を見直し、説明を整理
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