ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強計画|合格までの流れと時期別スケジュール【2027年度】
この記事の結論
- ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強は、一次試験を「公式教本と問題演習の往復」で進め、二次以降は一次の勉強中から準備するのが基本です。
- 一次試験はCBT方式の120問・70分で、両呼称に共通です。問題は公開されておらず、公式の過去問はありません。章ごとの演習と120問70分の模試で代わりに練習します。
- ワインエキスパートは一次・二次(テイスティング)の2段階、ソムリエは二次で論述、三次でサービス実技も受けます。
- 2025年度の合格率はソムリエ19.9%、ワインエキスパート26.4%でした。
- 2027年度の日程は、2026年10月26日時点で発表されていません。
この記事の対象読者
- ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強を、何から・どの順で始めればよいか知りたい方
- 独学で一次試験から二次試験まで備えたい方
- 過去問・問題集・アプリ・スクールのどれを使うか迷っている方
J.S.A.ソムリエとJ.S.A.ワインエキスパートは、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定するワインの呼称資格です。一次試験は両呼称とも同じ公式教本から出題されるため、知識の対策は共通です。違いが出るのは受験資格と、二次試験以降の科目です。
合格までの流れと時期別の計画を、このページにまとめました。細かい手順は、各見出しから専用の記事へ進んでください。問題を解きながら進めたい方は、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験対策の問題集(ソムリエ道場)で第1章の4択問題を無料で解けます。
試験はソムリエが3段階、ワインエキスパートが2段階
2026年度の実施内容は次のとおりです。
| 項目 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| 受験資格 | 酒類・飲料を扱う対象職務が主たる職業で、通算3年以上従事(会員歴2年以上のJ.S.A.会員は2年以上)。収入の60%以上・月90時間以上などの条件あり | 基準日(2026年度は8月31日)に満20歳以上。職歴は問わない |
| 一次試験 | CBT方式・120問・70分 | CBT方式・120問・70分 |
| 二次試験 | テイスティング(40分)。同じ日に三次科目の論述(20分) | テイスティング(50分) |
| 三次試験 | サービス実技(ワインの開栓・デカンタージュ) | なし |
| 2026年度の日程 | 出願 3月2日〜7月10日、一次 7月15日〜8月26日、二次 9月28日、三次 11月9日 | 出願・一次・二次はソムリエと同じ |
一次試験はテストセンターのパソコンで解答します。出願時に1回受験か2回受験かを選び、期間内の日時と会場を自分で予約します。合否は試験の終了直後に画面に表示されます。一次を通過すると、通過の翌5年間のうち3回まで一次試験が免除されます。
どちらを受けるか迷ったら、先に受験資格を確かめてください。実務の条件を満たさない場合は、ワインエキスパートを受けることになります。判断のしかたはソムリエとワインエキスパートの違いで整理しています。
2027年度の日程は、2026年10月26日時点で発表されていません。2026年度は3月上旬に出願が始まり、7月中旬から一次試験がありました。翌年も同じ時期とは限らないため、日本ソムリエ協会の試験案内で確認してください。受験料や合格発表の流れは2026年度の日程・費用まとめにあります。
公式教本は、一次試験の受験者に発送されます(受験料に含まれます)。2026年度は、出願の受付が完了してから2週間前後で届く目安でした。マイページでは電子版も読めます。
合格率は2025年度でソムリエ19.9%、ワインエキスパート26.4%
日本ソムリエ協会の「資格保有者一覧表」によると、最終合格率は次のように推移しています。
| 年度 | ソムリエ | ワインエキスパート |
|---|---|---|
| 2025年度 | 19.9%(2,866人中570人) | 26.4%(3,577人中944人) |
| 2024年度 | 29.2% | 41.4% |
| 2023年度 | 17.7% | 41.9% |
| 2022年度 | 30.1% | 32.9% |
| 2021年度 | 42.1% | 40.7% |
| 5年の単純平均 | 27.8% | 36.7% |
出典:日本ソムリエ協会「資格保有者一覧表」(2026年1月1日現在)
ソムリエは年度ごとの上下が大きく、1年分の数字だけで試験が難しくなったとは言えません。またソムリエとワインエキスパートでは受験資格も科目も違うので、合格率の差がそのまま知識の難しさの差になるわけでもありません。数字の読み方は合格率と難易度の推移で詳しく説明しています。
勉強時間は「期間 × 1週間の時間」で見積もる
一次試験対策の計算例として、平日1時間・休日各3時間(週11時間)を24週間続けると、約264時間になります。試験の2か月前からの直前期は、平日1〜2時間・休日3〜4時間がひとつの目安です。
テイスティングやソムリエの論述・実技の練習時間は、これとは別に確保します。
計画を立てたら、最初の1週間で実際に使えた時間を記録します。問題を解いた時間だけでなく、間違えた箇所を教本で読み直した時間も含めます。そのうえで、続けられる配分に直してください。月ごとの進め方は独学の勉強法と学習スケジュールにまとめています。
一次試験は「教本 → 章ごとの演習 → 地図 → 復習 → 模試」の順で進める
一次試験では、受験者ごとに問題プールから120問が出題されます。教本は1,000ページを超え、分野ごとの配点も公表されていません。山を張るより、教本の全体を問題で確かめていく進め方が向いています。
1. 教本は概論とフランスから読み、通読は1周で切り上げる
最初は目次を見て、章ごとの分量をつかみます。読み始めるのは、ブドウ栽培・醸造・主要品種などの概論と、フランスです。品種と醸造がわかっていると、各国の章も理由と結びつけて読めます。フランスは原産地呼称(A.O.C.)の数が多いので、早めに着手します。
フランスの次はイタリア、スペイン・ポルトガル、ドイツ・オーストリアへ進み、ニューワールド、日本、ワイン以外の酒類へ広げます。
通読は全体をつかむ1周で十分です。2周目からは、問題で間違えた箇所を調べる辞書として教本を使います。フランスの要点はフランスワインの覚え方で、地方ごとの品種・格付けと一緒に整理しています。
2. 読んだ範囲は、その日のうちに問題で確かめる
読んで「わかった」と思うことと、選択肢から正解を選べることの間には差があります。数ページ読んだら、その範囲の問題を解きます。
たとえば、ブルゴーニュの村名とグラン・クリュ、スペインのクリアンサ・レセルバ・グラン・レセルバの熟成期間は、読んだ直後でも取り違えやすい項目です。問題で問われ方を知ってから教本に戻ると、どこが論点なのかが見えてきます。
3. 産地の位置は地図で覚える
一次試験では、産地がどの川沿いにあるか、どの地区と隣り合うかを知らないと解けない問題があります。ボルドーのジロンド川の左岸と右岸、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの村の並びは、文字だけで覚えようとすると混乱します。
白地図に河川・山脈・主要な原産地呼称を書き込むか、地図の問題で位置を答える練習をします。フランス主要10地方の位置関係はフランスワイン地図まとめで確認できます。
4. 間違えた問題は教本に戻り、日を空けて解き直す
間違えた理由を「初めて見た用語」「似た名称の混同」「設問の読み違い」に分けると、次にやることが決まります。教本は該当箇所の前後まで読み、数日後に同じ分野の問題を解き直します。
解き直しの記録は、ノートでもアプリの復習機能でもかまいません。大事なのは、間違えた問題が後でもう一度出てくる仕組みを作っておくことです。
5. 主要な章を一巡したら、120問70分の模試で時間配分を確かめる
70分で120問を解くので、1問にかけられるのは平均35秒です。主要な章を一通り終えたら、時間を測って120問を通しで解きます。
見るのは点数より、どの分野で失点したかです。失点した分野を章ごとの演習で補強し、もう一度模試で確かめます。本番のパソコン操作は、CBT-Solutionsの「CBT体験試験」で事前に試せます。時間配分の例と操作の練習手順はCBT試験の時間配分と操作練習にあります。
残り2か月から始める場合や、直前期の週ごとの計画は一次試験まで約2か月の勉強計画を参照してください。
二次・三次は、一次の勉強中から準備を始める
2026年度は一次試験の期間が8月26日に終わり、二次試験は9月28日でした。一次を通過してから始めると、準備できるのは約1か月です。テイスティングは短期間で身につけにくいので、一次の勉強と並行して少しずつ練習します。
テイスティングは、混同しやすい品種を並べて比べる
二次試験のテイスティングは、ソムリエがワイン3種とワイン以外の酒類2種を40分、ワインエキスパートがワイン4種とワイン以外の酒類1種を50分で評価します。回答はマークシートの選択式です。外観・香り・味わいを観察し、用紙の選択肢から合う用語を選びます。
自宅では1本ずつ飲むより、シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールのように、混同しやすい2種を並べて比べます。ふだんワインを飲むときも、色・香り・酸味・渋みを言葉にしてみてください。この習慣があると、二次の練習に移りやすくなります。
観察の順番、頻出6品種の比較軸、2025年度の出題銘柄は二次試験テイスティング対策にまとめています。
ソムリエは論述とサービス実技も準備する
ソムリエは、二次試験の日に三次科目の論述(20分)を受けます。論述の結果は、三次試験の合否判定で評価されます。一次・二次が免除されて三次から受ける人も、論述は二次試験の日に受けます。
三次試験はサービス実技で、ワインの開栓とデカンタージュを行います。普段の業務で抜栓している人も、協会の手順に沿った動作を反復して練習します。
過去問は公開されていない。章ごとの演習と模試で代わりに練習する
一次試験(CBT方式)の問題は公開されておらず、公式の過去問はありません。 問題は受験者ごとに問題プールから出題されます。市販の問題集やアプリの問題、Webで「過去問」として紹介されている問題は、公式に公開された本試験の問題ではありません。古い年度の出題をもとにした問題は、教本の改訂で内容が変わっていることもあるため、答えの根拠は受験年度の教本で確かめます。
そのため、次の2つで代わりに練習します。
- 章ごとの問題演習で、教本の各章がどう問われるかをつかむ。答えの根拠は毎回教本で確かめる
- 120問70分の模試で、時間配分と弱点の分野を確かめる
二次試験のテイスティングは事情が違い、過去の出題銘柄が知られています。どの品種やワイン以外の酒類が出てきたかを見ておくと、練習で飲む候補を絞れます。
教材は「公式教本 + 問題演習の手段」で選ぶ
出題の根拠は公式教本です。教材を増やすより、教本と問題演習の往復を回せるかどうかで選びます。
| 観点 | 公式教本だけで独学 | 市販の問題集(書籍) | 問題集アプリ・Web問題集 | ワインスクール(通学・通信) |
|---|---|---|---|---|
| 費用感 | 低い(教本は受験料に含まれる) | 書籍代のみ | 無料で一部を試せるものがある。全範囲は有料のものが多い | 高め。講座によって差が大きい |
| 解説 | 教本の記述そのものが根拠 | 書籍によって詳しさが違う | サービスによって有無や詳しさが違う | 講師に質問できる |
| 復習 | 間違いを自分で記録する | 間違えた問題に印をつけて解き直す | 間違えた問題を出し直す機能があるかを確認する | 講座の課題や小テストで確かめる |
| 教本との年度の対応 | 常に受験年度 | 発行年と改訂の有無を確認する | 対応する教本の年度を確認する | 講座の年度を確認する |
| 二次・三次の実技 | 自分でワインを揃えて練習する | 実物での練習は別に必要 | 実物での練習は別に必要 | テイスティングや実技の指導を受けられる |
選ぶときは、まず解説を確かめます。間違えた理由がわからないと、教本のどこに戻ればよいか決まらないからです。次に、受験年度の教本に対応しているか、間違えた問題を出し直す機能や本番形式の模試があるかを見ます。テイスティングとサービス実技は、どの教材を選んでも実物での練習が欠かせません。
ソムリエ道場は、教本の章に沿ったソムリエ試験・ワインエキスパート試験対策の問題集アプリです。暗記カード、27か国の地図クイズ、本番形式の模擬試験、論述の練習、間違えた問題の自動復習を使えます。登録すると、第1章の4択演習・暗記カード・論述、模擬試験1回、地図クイズ4か国(フランス・イタリア・スペイン・ドイツ)を無料で試せます。各機能の内容は機能一覧で確認できます。
時期別スケジュール:一次試験の6か月前から二次・三次まで
2026年度と同じく、7月中旬に一次試験が始まる場合の目安です。2027年度の日程が発表されたら、それに合わせてずらしてください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 一次の6か月前(1月ごろ) | 受験資格を確かめ、受ける呼称を決める。教本が届く前は、主要品種の特徴やフランスの地方名と位置に慣れる |
| 出願開始後(3月ごろ) | 早めに出願して教本を受け取る。概論とフランスから読み始め、読んだ範囲ごとに問題を解く |
| 4〜6月 | イタリア、スペイン・ポルトガル、ドイツ、ニューワールド、日本、ワイン以外の酒類へ広げる。地図で産地の位置を固め、復習の割合を増やす |
| 一次の2か月前〜直前 | 問題演習と解き直しを中心にする。120問70分の模試を定期的に受け、CBT体験試験で操作を確かめる |
| 一次の勉強期間を通して | 週に一度、2種類のワインを並べて比べ、色・香り・味わいを用語で言い分ける |
| 一次の後〜二次 | テイスティングの比較練習に集中する。ソムリエは論述の練習も進める |
| 二次の後〜三次(ソムリエ) | 開栓・デカンタージュの手順を反復して練習する |
よくある質問
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強は何から始めればいいですか?
まず受験資格を確認して、どちらの呼称を受けるかを決めます。勉強は公式教本の概論(ブドウ栽培・醸造・主要品種)とフランスから始め、読んだ範囲はすぐに問題で確かめます。教本は一次試験の受験者に発送されるので、届く前は主要品種やフランスの地方名と位置に慣れておきます。
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験は独学でも合格できますか?
一次試験は、公式教本と問題演習の往復で独学でも準備できます。二次試験のテイスティングは、自宅で品種を並べて比べる練習を重ねます。ソムリエの三次試験(サービス実技)は手順の反復練習が必要なため、指導を受けたい場合はスクールやセミナーを併用する方法もあります。
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験に過去問はありますか?
一次試験(CBT方式)の問題は公開されておらず、公式の過去問はありません。受験者ごとに問題プールから出題されます。代わりに、教本の章ごとの問題演習と、120問70分の模擬試験で練習します。二次試験のテイスティングは、過去の出題銘柄が知られています。
勉強時間はどのくらい必要ですか?
一次試験対策の計算例として、平日1時間・休日各3時間(週11時間)を24週間続けると約264時間になります。直前の2か月は、平日1〜2時間・休日3〜4時間がひとつの目安です。テイスティングなど二次の練習時間は別に確保します。
二次試験の準備はいつから始めればいいですか?
一次試験の勉強中から少しずつ始めます。2026年度は一次試験の期間が8月26日に終わり、二次試験は9月28日でした。一次の通過後に始めると、準備できるのは約1か月です。
2027年度のソムリエ試験の日程はいつですか?
2026年10月26日時点で発表されていません。2026年度は出願が3月2日〜7月10日、一次試験が7月15日〜8月26日、二次試験が9月28日、三次試験が11月9日でした。最新の日程は日本ソムリエ協会の試験案内で確認してください。
ソムリエ試験とワインエキスパート試験の合格率はどのくらいですか?
2025年度はソムリエが19.9%(受験者2,866人・合格者570人)、ワインエキスパートが26.4%(受験者3,577人・合格者944人)でした。2021〜2025年度の単純平均は、ソムリエ27.8%、ワインエキスパート36.7%です。
最初の1週間でやること
最初の1週間は、次の4つで足ります。
- 日本ソムリエ協会の試験案内で、2027年度の日程と受験資格を確かめる
- 教本(届く前なら手元の入門書)で、概論かフランスの章を数ページ読む
- 読んだ範囲の問題を10問解き、間違えた用語をメモする
- 1週間に使えた勉強時間を記録し、計画を直す
参考文献・情報源
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)呼称資格認定試験(2026年10月26日確認)
- J.S.A. ソムリエ呼称資格認定試験(2026年10月26日確認)
- J.S.A. ワインエキスパート呼称資格認定試験(2026年10月26日確認)
- 日本ソムリエ協会「資格保有者一覧表」(2026年1月1日現在)
- CBT-Solutions J.S.A. ソムリエ・ワインエキスパート呼称資格認定試験 受験案内
📝 更新履歴
- 2026年10月26日:初版公開
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